静岡労働局の笹正光局長らは12月13日、富士教育訓練センター(以下、訓練センターと略)を視察し、鉄筋結束などの体験をするとともに、全国建設産業教育訓練協会の加賀美武専務理事らと意見交換しました。笹局長は、建設技術、技能に「日本が支えられていると実感」したとした上で、「そうした技術・技能の教育訓練をしている施設(訓練センター)の存在をもっと広く静岡県民、国民に知っていただく必要がある」と感想を述べました。
実習場を視察する笹静岡労働局長(右から2人目)ら
視察には、笹局長、同局の佐藤雅文職業安定部長、遠藤徳一職業安定部訓練課長、杉山好裕同部職業安定課長補佐―の計4人が訪れました。
概要説明、昼食の後、寮や浴室、教室などを見学しました。食堂では、アレルギーの訓練生が目立っていることから、食堂前にメニューのアレルギー原因食品の情報を提供していることを紹介。また、外国人研修生への対応、特にインドネシア人については、イスラム教の礼拝のために1室用意していることなどの説明を受けました。
この後、実習場に移動し、訓練センターの空岡陽子主任の指導で建設機械(バックホウ)に試乗、アームの上げ下げや掘削など基本操作を体験しました。続いて、機械実習場で町美差恵講師の指導により鉄筋を結束するとともに、ベンダーで鉄筋を切断したり曲げたりしました。
町講師(左から2人目)の指導で鉄筋結束
視察後の意見公開で笹局長は、以前から訓練センターの存在を知っていたが、今回初めて視察して「感慨深い」とし、「労働者の知識、技術・技能を維持向上、改善していく取り組みをしていることに敬意を表したい」と評価。さらに「今後、より幅広く日本全体の建設業の知識、技術・技能の向上のため、労働者の命を守るための安全教育を含めて、しっかりと対応してもらいたい」と話しました。
また、「地域に根差した取り組み」として、県内の建設業のベストプラクティス企業と意見交換し、「知識、技能プラスαとして、職場の魅力を高める情報を収集し、より良い建設業の職場」への支援をしてほしいと提案しました。
訓練センターの加賀美専務理事(左から2人目、後ろ姿)らと意見交換
佐藤職業安定部長は「建設業は人手不足産業といわれ、人手不足が大きな課題となっている。1人当たりの能力を挙げることは人手不足解消に向かって、また雇用管理の改善の観点からも重要。その中で訓練センターは、貴重な取り組みをされていると感じた」と感想を述べました。遠藤訓練課長は「能力開発に関して、これだけ多くの方が学ばれていることが分かり参考になった」、杉山課長補佐は「ハローワークで建設業に行きたいという求職者が減っていると感じているが、建設関係の訓練を希望する方がいた場合には、今回のセンター視察の体験談等を伝えたい」とそれぞれ話しました。
加賀美専務理事は「これからはより地域に根付いた訓練校として進めていきたい。今後もご意見ご指導をいただけますようお願いします」と応えました。