富士教育訓練センター

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2015/12/02

寒冷期を迎え「敏感に繊細にナイーブに」  河村毅建替工事作業所長にインタビュー

 富士教育訓練センター建替で、宿泊棟と共用棟の工事が始まって約3カ月。ここ富士山のふもとには冬が訪れています。寒冷期を迎えることから、現地での工事はまもなく一時休止期間に入ります。木内建設(株)の河村毅(かわむら・たけし)作業所長=写真=に工事の現状などについて話を伺いました。



――工事の進捗状況はいかがでしょうか。
 「共用棟は基礎梁、宿泊棟は1階スラブの構築(配筋、型枠)作業中です。宿泊棟は4棟という扱いで進めています。いずれも12月中旬までにコンクリートの打設を行います。一方、PC版についても製作が始まっています。1枚目の製品検査を既に実施しました。新しい型枠を使っていますので、表面はきれいという印象です」
河村毅作業所長


――職人の手配などではご苦労はありませんか。
 「心配していましたが、人数を確保できていますので、落ち着いて作業をしています。受注のためにプレゼンテーションしたころから、協力業者には話をしていました。十分な準備期間がありましたから、職人の手配はスムーズにいっています。資材も安定しているため、問題はありません」


――工事する上で難しかったことはありましたか。
 「工事は非常にやりやすい。通学路もありませんし、近隣配慮の大きなストレスがありません。敢えて言えば、富士山のふもとの勾配のある場所に建物を建てていくということで、掘削計画で苦労をしました。最初は想定通りの深さであった岩盤が次第に高くなっていたり、岩盤自体がうねっていたりしました。地中には大きな転石が多く、地盤改良をする前に取り出す一手間に時間と労力を使いました」



――富士山も冠雪して、だいぶ寒くなってきましたが。
 「ここに来て寒くなってきていますので、コンクリート打設の際には簡単な被いを設けるなど、温度管理を慎重にしていきます。敏感に繊細にナイーブに事を進めようと調整しているところです」寒冷期を迎えた工事現場(11月28日撮影)



――やはり、なかなか難しい点があるのですね。
 「難しい事を前向きに捉えて楽しもうと考えています。どうやったらより品質の良いものができるのかを考えていくのが、大変だけれども楽しいところです。建設工事は、どの工事も違う条件の下で行い、同じ品質を確保します。ですから、この土地柄でどういう事に気を回してやっていくかを考えて、クリアしていくことが、自分にとっての財産になると、そんな思いでやっています」


 写真=冠雪した富士山を背景に富士教育訓練センターの建て替え工事が順調に進む(11月28日撮影)



――センターでは教官もいて教育訓練をしているので、やりにくいのではないでしょうか。
 「いろいろな人に見られています。それも素人ではない人たちとですから。同業他社の方、しかも大手ゼネコンの方、職人の方々もそうです。レベルが皆さんそれぞれ違うでしょうが、どんなふうに見られているのかなと思ってしまいます。しかし、見られていることをプラス方向に持って行くよう、下請けの社長や職長に対して伝えています。『いつ見られても恥ずかしくない仕事をしよう。品質管理も安全管理もそうだよ』と常々指導しています」



――今後の進め方はいかがでしょうか。
 「年内にPC版と鉄骨建方の下準備ができるようにしていきます。来年3月中旬からの建方に向けて、PC版、鉄骨の製作に入っていきます」



――建て替え工事についてはどのような考えを持っていますか。
 「会社として建設産業の担い手不足を何とかしなくてはならない。その先頭を切らなくてはないという思いで受注しようと取り組みました。早い段階で『お前が担当しろ』とプレゼンテーションもしました。前の現場が忙しい時期だったのですが、時間を割いて何度もプレゼンテーションの練習をしました。設計スタッフと共に『このメンバーで取れなければ、どこのゼネコンも取れない』という意気込みで臨みました」



――ありがとうございました。


河村所長のプロフィール
 静岡市葵区出身。平成2年芝浦工業大学卒後、木内建設(株)に入社。48歳。会社の採用面接で東京配属について聞かれた際、一緒に面接を受けた4人が「かまいません」と次々に答える中、「困ります」。ふるさとが大好きで地元密着を貫く。「静岡にいると、いろいろな建築に携わることができ、勉強になった。良かった」



工事概要(共用棟・宿泊棟建築)
 主要用途     職業訓練校(学校教育法に属さない学校)
 建物用途     寄宿舎
 建物概要     共用棟=鉄骨造2階建て延べ2028・37u
            宿泊棟=壁式鉄筋コンクリート造3階建て延べ3894・00u
 宿泊棟収容人数  男子寮283人
             女子寮43人(女性講師9人含む)
             講師寮30人
             合計356人
 厨房調理規模   一度に約400人分の調理機能
 食堂収容人数   168人(宿舎が満員の際は2回転で対応)
 スケジュール    契約日    =平成27年2月26日
             着工      =平成27年9月16日
             建替工事完了=平成28年12月予定
             供用開始   =平成29年4月1日


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