埼玉県立浦和工業高校の設備システム科1年生39人を対象に建設業出前講座が2月20日に開かれました。建設業、リニューアル工事、ダクト設備工事をテーマに、それぞれの専門家が講義しました。
最初に「建設業」をテーマに講義しました。建築業の現状について、「日本の人口は? そのうちの何割が建築業に携わっているのか」といった質問をしながら、建設業への理解を促しました。また建築業の魅力について、「直にお客様の笑顔や、喜びが見える」「長期にわたり物が残り、地図に残る仕事」など、他産業に劣ることのないやりがいがあることを説明しました。
次に、リニューアル技術開発協会の山田昌喜氏が講義。コンクリートの亀裂、配管等からの漏水など、実際に不具合が生じている建物の例を写真で紹介しました。そうした不具合に対して、「配管等は鉄管の場合、腐食が生じるため、定期点検を行い、漏水する前に手を打つことができる。漏水はいきなり起こるのではない」と説明し、メンテナンスの大切さを説明しました。
また、「近年、『長くもつ=劣化しない』といった間違った解釈をしている風潮があるが、どんな物も必ず劣化する」と指摘しました。
最後に講義したのは、全国ダクト工業団体連合会の田村行雄氏。配管・ダクト・保温の各仕事についてのVTRを鑑賞しました。その中に登場する職人は「天井が無い建物では、自分の作った物が見えるため、子供に自慢ができる」「女性でも仕事を長く続ける事ができる」と伝えていました。
田村氏は、「ダクトは火災時などの災害時にも一役買っている」など、建物にとってダクトが重要な役割を担っていることを紹介し、興味を持ってほしいと呼び掛けました。
建設業体験講座は、埼玉県建設業協会の委託事業として、建設産業共同教育訓練協議会・富士教育訓練センターが実施しているもの。