加賀美専務理事インタビュー その①

組織力強化で“待ち”の姿勢脱皮
教育訓練への熱い思いをつなぐ

 職業訓練法人全国建設産業教育訓練協会の5月の第28回定時総会で、菅井文明専務理事が退任し、加賀美武協会広報企画部長が専務理事に就任しました。加賀美専務理事は、今後、建設産業の教育訓練を取り巻く環境が厳しさを増していくと予測し、強い組織づくりを進め、待ちから攻めの姿勢に転じていく考えを示しています。就任に当たって運営方針などについてインタビューしました。

― 前専務理事の菅井氏、前校長の小松原氏ら主要幹部が退任して、当協会は組織的に若返りました。今後どのような運営を進めていく考えでしょうか。

加賀美 平成9年の訓練センター設立から30年になろうとしている中で、当協会は経営体として設立当初のルールが大きく直されることなく現在に至っており、必ずしも時代に見合ったものとはなっていません。あらためて「企業」としてのルールづくりが一つの取り組みテーマになっています。言い換えれば、基盤強化です。個々が強くなってほしいのはもちろんですが、それだけでは力は限られています。仲間がいて組織になるから大きな仕事ができるのです。組織力を強くしていきたいと考えています。

 訓練センターの入校のルールなどで使わせていただいている彫刻家の平櫛田中氏の言葉「いまやらねば いつできる わしがやらねば だれがやる」をもじって言えば、チームとして「わたしたちがやらねば だれがやる」です。その際、山梨敏幸会長が常に仰っているように、自分目線ではなくお客様目線であれということです。

 オーダーメイド型のコース(独自教育訓練)では、お客様と細かく打ち合わせをして実施するため、お客様目線になっていると思いますが、誰でも受けることができる共同教育訓練ではこちらサイドの目線になっていないか、あらためて検証する必要があります。訓練内容はその都度変えてはいますが、関係団体と協議をしながらお客様目線の内容になるよう、また時代によりマッチし求められる内容となるよう継続して取り組んでいくつもりです。

― 当協会組織のルールづくりとはどのようなものでしょうか

加賀美 経営理念、目標というものを明文化して全職員に落とし込んでいく。そして、職員それぞれが自分の考えを述べられるようになってほしい。指示待ち人間では困ります。1から10までまずやってみて、ここは他の者にお願いするという部分がでてきていい。1~10まで丸投げのような仕事をしては困ります。自分に何も残ることがなく、成長につながらないからです。「わしがやらねば だれかやる」と他の誰かに押し付けてはなりません。

 もちろん働き方改革には対応していきますが、どういう働き方をしてもらうのか考える必要はあります。より良い職場風土づくりを目指すのは当然のことです。