加賀美専務理事インタビュー その②

アフターコロナで訓練実績が思うほど回復していません。また、少子化による絶対数の減少は大きな課題です。建設業界に入職が進まなければ訓練センターとしても困りますね。

加賀美「こういう訓練ができます」と売り込んでいく必要があります。これまで以上に広報を強化していかなければならないと考えています。もうこれまでのように待っていればお客様がこちらにやってくるといったことはありません。それでもまだネームバリューがあるのですから、それを活かし潜在需要を掘り起こすよう、積極的な営業展開をしていきたいと考えています。

例えば、地場ゼネコン複数社が共同で訓練を実施するという一つのことがあります。単独では人数も少なくて訓練ができないなら、競合相手であっても手を取り合って訓練センターを利用することもあっていいではないでしょうか。また、送り出し企業の方々には訓練から戻った訓練生に、訓練センターでの訓練のことを聞いてほしいのです。そうして、ぜひ、訓練センターへのご意見・ご要望をフィードバックしていただきたい。それが私どものコースのブラッシュアップの大きなきっかけになります。同時に、企業の方々には訓練生に声を掛けていただくことで、若い社員の皆さんとのコミュニケーション、信頼関係を深めることになるのではないでしょうか。 訓練センターは「ものづくりは人づくり」をモットーに、人を資源として大切にしてきました。これはぶれることなく一貫して伝えるべきことです。ただ、受け手(訓練生)の意識が変わってきている中で、違う伝え方(教え方)を模索していかなくてはなりません。コンプライアンス、ハラスメントなどにも適切に対応できるよう講師、職員は学ぶことが必要です。とはいえ、私は教える側に熱い思いがないと相手に伝わらないと思っています。どのような仕事でもそうではないでしょうか。講師の皆さんはいずれも熱い思いを持って、自分の経験に基づいた技を惜しみなく伝えようとしていただいています。それは訓練センター開設当時から今に続くものだと私は感じています。

若い人たちに伝えたいことを

加賀美 求人サイトには職が山のようにある中で、今の仕事を「辞めようかな」と思うことはあって然りです。仕事が嫌で辞めてもキャリアアップは望めないでしょう。ブラック企業は論外ですが、辞めた会社より採用条件が悪くなるのが普通です。負のスパイラルに陥ることになりかねません。今働いている会社でキャリアを積んだ上での転職とは違うのです。3年、5年と続けていると、仕事の面白いところ、会社の良いところが見えてきます。見えてきてから判断をしても遅くない。「うちの会社に来てください」と乞われるようなキャリアを積んでほしい。ただ、死ぬほど悩むなら辞めればいいとは思っています。

最後に関係行政などに伝えたいことはありますか

加賀美 訓練センターが「センター・オプ・センター」と位置付けられている中で、当協会は職業訓練法人として厚生労働省、国土交通省、静岡県など関係行政・機関とより良い関係づくりに努め、ご支援ご協力を得ながらお客様にご満足いただけるよう、教育訓練の一層の充実を図っていきます。これまでも関係行政の皆様が本当に訓練センターに対してご支援いただいていますので、それに甘んじないで力を尽くしていきたいと思っています。