米良校長インタビュー その②

その他の打つ手は。

「本年度の教育訓練計画は約4万人日を目標としていますが、達成にはより一層の努力が必要です。共同教育訓練のキャンセル待ち0(ゼロ)を目指す、外国人研修生のうち、1号特定技能外国人の研修の新規受け入れ、新規問合せ企業(オーダーメード)の迅速開催、訓練センター主催の技能講習の一般開放など即効性の対策に重点を置きたいと考えています。」

「助成金対象コースの拡充は安定経営には必須です。しかし、出生数は年々減少し底が見えない状況です。建設業許可業者数はここ5年概ね横はい傾向で令和5年度末現在47.9万社です。一方、訓練センターの利用企業数は1700社で、建設業許可業者数のわずか0.4%に過ぎません。こうした数字からも潜在需要を掘り起こすことができるのではないかと考えるのです。」

外国人の教育訓練は。

「外国人技能者の受け入れも重要な課題です。中国・フィリピン・ベトナムなどの受人形式(技能実習制度など)に違いはあるものの実施したことがありましたが、ことし2~3月のインドネシア人の受け入れは初となりました。受人管理団体として実績のある全国鉄筋工事業協会様のサポートもあり、大きな間題もなく終えることができました。現状の入国後受人研修は、管理団体への教室等の場所貸し、宿泊施設の提供というところでご利用いただいていましたが、もう少しセンターとしても立ち入ることができないか模索しているところです。」

「現在の一番の問題は通訳です。24時間何があるか分からないので、拘束時間が問題となります。センターは日中だけでなく夜・休日なども対応しなければなりません。通訳の人材確保が大きな課題です。」

課題は大きく多岐にわたっていますね。

「いま対策を講じなければならないこと、講じないよりは講じた方が良いことに仕分け、効率的な改善に努める必要があると思いますが、そのためにも組織内の人材育成をこれまで以上に進めていかなければなりません。加賀美専務が話されている通りです。」

「技能ということでは、日本は一芸に秀でた「匠(たくみ)」はステータスになるのですが、一方で一般的な技能への尊敬がありません。ドイツのマイスターのように、技能者そのものに対して敬意を払う社会になってほしいものです。そうしないと、少子化の中で普の技さえも失われかねません。危機感を持っています。」