3月2日、富士教育訓練センターで一般社団法人日本建築板金協会(日板協、天野宏昌会長)、全日本板金工業組合連合会(全板連、天野宏昌理事長)主催の「第47回全国建築板金競技大会」が開催されました。課題の作品を作製する「技能競技」と、課題の施工図を作成する「建築技術」の2部門で、選手たちは日頃の鍛錬の成果を存分に発揮し、白熱した戦いを繰り広げました。この大会は、建築板金技能の継承と後継者発掘と育成を図るのが目的。入賞者には、5月22日に島根県で開かれる全国建築板金業者大会席上、国土交通大臣賞、厚生労働大臣賞、訓練協会会長賞などが贈られます。
技能競技の部の課題は、銅板で高さ約30センチの「置時計」の展開図と製品を作るもの。4時間の制限時間の中で、作品の精度や外観、選手の作業姿勢などで審査されました。建築技術の部の課題は、2世帯住宅を希望する施主のリノベーション計画の施工図作成。同じく制限時間は4時間。技能競技の部には38名、建築技術の部には19名の選手が参加し、それぞれの技能・技術を競い合いました。
昨年4月に課題が発表されてから選手たちは、仕事や休日を利用して練習に励みました。その努力が間違いなく大会での素晴らしい成果につながっていました。会場に足を踏み入れた瞬間、緊張感が一気に伝わりました。選手たちは真剣な眼差しで作業に集中していて、その気迫に圧倒されました。選手たちが見せた技能の輝きは、深く印象に残りました。大会の舞台裏には、計り知れない努力と精神力が込められているのだということを、あらためて実感しました。
また、青年部役員スタッフの皆さんの活躍も素晴らしいものがありました。大会を支えるために尽力する姿勢に感銘を受けました。競技がスムーズに進行し、選手たちが持てる力を存分に発揮できる環境が整えられたのも、役員・スタッフの皆さんの献身的な働きがあったからこそでした。
さらに、SNSを活用して大会のライブ動画を配信し、リアルタイムで競技の様子を多くの人々に届けるなど、デジタル時代に即した形で業界の魅力を広める取り組みが行われていました。このような活動が、選手たちや業界全体の技能向上に大きく貢献しているということを実感しました。
今後もこの大会がますます盛り上がり、協会の活動が一層広がり、業界全体がさらに発展していくと同時に、大会を通じて業界の未来を担う人材発掘・育成にもつながるよう祈念します。
訓練センターは、平成12年度より本大会の会場として活用されており、今年も体育館や製図室を競技会場として提供するとともに、備品の倉庫管理や宿泊・食事の提供を通じて大会運営を支えました。また、訓練センターの米良力校長は審査員の一人として、競技を見守りました。
訓練センターは、日板協はじめ、建設業界の発展に貢献できるよう、今後も引き続き教育訓練を通じた人材育成に努めてまいります。最後に、大会にご参加いただいた皆様、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。


