教育訓練で施工力・品質・生産性の向上を

職業訓練法人 全国建設産業教育訓練協会 会長 山梨 敏幸

  会長 山梨 敏幸

 あけましておめでとうございます

 令和8年の年頭にあたり、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

 旧年中は、会員団体、訓練生を送り出していただきました事業所はじめ、関係機関など多くの皆さまに格別のご支援、ご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。

 さて、昨年暮れ、建設技能者にとって大きな意味を持つ国の施策がスタートしました。第3次担い手3法(令和6年改正)が全面施行され、新たに「労務費に関する基準」、いわゆる「標準労務費」が建設業に導入されることになりました。これは、建設技能者の賃金を値下げの原資とするような価格競争を変革して、技能者の処遇を確保した上での価格や、受注者の技術力、施工の質、生産性の高さを競う競争環境を実現しようとするものです。併せて、経営事項審査が改正され、「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」も創設されています。いわば、真面目に経営や教育訓練に取り組む努力をする企業や技能者が報われるような建設業にしようという施策といえます。

 とはいえ、厳しい経営環境の中で、企業はお客様の求めに応えていくには、これまで以上に品質や生産性を高めるなど一層の経営努力を怠ることはできません。そうした課題に対して、人材確保が困難な現状も相まって、技術者・技能者、事務系を問わず社員の能力を高めることが最も効果的であると考えます。特に、技能者にとっては、「標準労務費」が「技能者の経験・技能に応じた賃金の支払い」を目指すものである以上、自らの能力に応じた賃金が得られるということであり、当然、技能の維持向上、施工品質の向上・生産性の向上を自らも求めていかなければなりません。

 こうした状況は、すなわち、社員の教育訓練の必要性・重要性がますます高まってきているといえるのではないでしょうか。同時に、社内に教育訓練の仕組みを持っていることが、企業の人材確保にとって重要な対策にもなることは間違いありません。

 富士教育訓練センターは、従前のコースはもちろん、新入社員の導入教育、特に建設関係学科を経ていない方々にも安心して建設業に入職できるような教育訓練コースも用意しています。さらに、建設キャリアアップシステム(CCUS)の各レベルの受け皿となる教育訓練コースを整備していきたいと考えています。今後も会員団体傘下企業はじめ、建設業界が求める教育訓練のニーズに積極的に応えていく所存であり、それが私どもの使命であります。

 いずれにしても建設業界では、より良いものを誠実に造る努力をしている企業が成長・発展していかなければなりません。「ものづくりは人づくり」であり、より良い仕事を仕上げ、そして「思い出づくり」ができる建設業のお役に立てるよう、訓練センター役職員および講師一同は、開校の原点を基本理念としつつ、時代に応じたサービスを提供できるよう切磋琢磨してまいります。

  どうか、本年もご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様方のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、年頭のごあいさつとさせていただきます。