埼玉県建設業協会(星野博之会長)の委託事業として、建設産業共同教育訓練協議会・富士教育訓練センターは1月22日、埼玉県立浦和工業高校(さいたま市桜区、大勝浩司校長)で建設業出前講座を開きました。設備システム科1年生40人(34人出席)が対象で、建設業、リニューアル、ダクト設備の各専門家が講師を務めました。
初めに埼玉県建協担当部長の高橋俊郎氏が「この出前授業では貴重な話が聞けます。今後の勉強に役立ててほしい」とあいさつしました。
1時限目は、ミサワホーム建設品質・教育部長の鴻巣裕司氏が「建設業」について講義しました。建設業者数、建設投資額、建設企業のキャッチフレーズなどを紹介した上で、「建設業は一人ではできない仕事。一人一人責任があり、やりがいのある仕事」と訴えました。また、「人としての力(人間力)を身に付けてください」として、その力を磨くのにはマナー、積極性、誠実が大切だと話しました。 「今勉強しよう」と山田氏
続いて2時限目は、リニューアル技術開発協会理事の山田昌喜氏が「リニューアル」をテーマに講義しました。山田氏は、「建物使用者が安全で快適に生活または利用できるための措置の全てがリニューアル(維持保全)」と定義。建物・設備の不具合の具体例を写真で紹介し、それらが瑕疵(かし)であるか、違法であるかの判断が難しいと説明しました。
山田氏は、大学は文学部出身と異色の経歴を持つだけに、高校生たちに「今いる環境の中で、できることを頑張ればいい。何とでもなる」とするとともに、「社会人になってからは勉強の時間がない。今勉強をしてほしい」と呼び掛けました。
3時限目の講師は全国ダクト工業団体連合会会長の田村行雄氏。田村氏は、ダクトの種類や登録基幹技能者などを分かりやすく説明しました。特に「一流になる人の原点」として、「読める」「書ける」「話せる」「聞ける」「マネジメントができる」―の5項目をマスターしておかなければならないと目標を示しました。