富士教育訓練センター

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2019/04/05

「貴重な体験生かして、頑張りたい」 国交省総合職技術系新規採用者建設技能実習

 国土交通大学校は4月2日、国土交通省総合職技術系新規採用者の研修の一環として、富士教育訓練センターで建設技能実習を行いました。前日に入省式を終えたばかりの男女合わせて63人が参加し、高所歩行や鉄筋結束などの実技を通じて、建設技能の難しさや安全の大切さを学ぶとともに、職業訓練法人全国建設産業教育訓練協会の才賀清二郎会長らと意見交換しました。


足がすくむ高所歩行
 上ってみると足がすくむ高さに。高所歩行(写真提供:建通新聞社)


 前夜の雪、朝の霜のせいもあって寒さが残っていたものの、富士教育訓練センターは澄んだ空気と青空に雪化粧の富士山もくっきりと見える絶好の訓練日和。参加者は全員、既に決まっている配属先の真新しいユニフォーム姿で研修に臨みました。
 入校式、早めの昼食の後、4班に分かれて、クランプ取付、建設重機搭乗、鉄筋結束、高所歩行―の4つの作業を順番に回る形で体験しました。高所歩行では、フルハーネス型墜落制止用器具の装着方法、使用方法を教わり、講師の見守るもとで、すぐに一人一人鉄骨躯体教材に取り付いて約3メートルの高さの鉄骨の上を歩きました。
重機の搭乗体験では、バックホウとブルドーザのそれぞれの運転席から死角を確認しました。1人が搭乗して、他のメンバーが重機の回りを取り巻く様子は、まるでかくれんぼうのようでした。鉄筋結束とクランプ取付では、ハッカーやラチェットレンチの扱いに戸惑いながら作業を行いました。


運転席から見えますか?運転席から見えますか? 建設機械の死角確認
ハッカーさばきはいかが? 鉄筋結束ハッカーさばきはいかが? 鉄筋結束


クランプ取付ラチェットレンチはどっちに回すの? クランプ取付


 実習に続いて、全国圧接業協同組合連合会の小林誠治さん、船橋正さんの2人の講師による圧接作業のデモンストレーションを見学しました。
 この後、教室に戻り、才賀会長、菅井文明全国建設産業教育訓練協会専務理事、小松原学富士教育訓練センター校長、鉄筋結束の実習で講師を務めた片岡道春同センター講師の4人と意見交換しました。
 修了に当たって、建設現場などで建設業者などとのコミュニケーションに役立ててもらうよう、センターで教育訓練を修了した訓練生に配布している「ヘルメット用シール」を参加者全員に配りました。
 実習修了に当たって、才賀会長は「ここで習ったことを現場へ出たら活用して、事故を起こさないようにし、自分の現場がうまくいくように頑張ってください。ヘルメット用シールを貼っていただいて、仲間がいたら一声掛けてあげれば、相手も喜ぶだろう」と参加者に呼び掛けました。 
 技能実習修了後の各班長の感想は次の通り。



八木優治さん(東北地方整備局港湾空港部港湾計画課)
 「今回の体験は、実際に工具を持って、重機を使ってというものでした。これからは指示を出す立場が多くなると思う。その時にやはり経験しないと分からないことを体験できたことが本当に良かった。今後もこういう経験を生かして頑張っていきたい。欲を言えば、1泊してもう少し経験を積みたかった。」



永原慎一朗さん(北陸地方整備局富山河川国道事務所調査第二課(併)工務第二課(併)道路管理第二課(併)能越国道維持出張所)
 「実習は難しいものが多かった。すぐに技術が身に付くものではないと分かった。日本のインフラ技術が高いといわれているが、そういう技術力も経験の積み重ねでできているということを肌で体験できた。現場目線が大事だと思う。そういった目線を常に意識して仕事に取り組みたい。」



大和田莉央さん(中部地方整備局庄内川河川事務所調査課(併)庄内川第一出張所(併)庄内川第二出張所(併)土岐川出張所)
 「貴重な経験をさせていただき、とても楽しかったです。今回の実習では、実際の工具などを使って、安全管理など特に気を付けることを経験できたので、今後の仕事には安全という面をしっかり意識して生かしていけたらいいなと思っています。」



中村菫さん(近畿地方整備局港湾空港部港湾計画課)
 「貴重な経験をさせていただいて、今まで以上に土木の工事が職人の方々の繊細で、慎重な作業の積み重ねによってできているということが分かり、これまで以上に尊敬の気持ちが強くなりました。先生方の熱い気持ちがすごく伝わってきたので、きのう(入省式)よりももっとこれから頑張っていこうという気持ちが強くなりました。」


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