国土交通省の平嶋壮州大臣官房審議官(不動産・建設経済局担当)は9月12日、富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)を視察しました。訓練センターからの概要説明、施設見学とともに、フルハーネス型安全帯での吊り下がりや、鉄筋の結束を体験し、「(訓練センターは)建設業に必要な多様な訓練が可能な良い施設だ。多くの方々が訓練に使っていただけると良いと思う」と感想を述べました。
視察には平嶋審議官の他、不動産・建設経済局建設業課の渡邊哲至課長、酒井大斗入札制度企画指導室課長補佐、大臣官房参事官(建設人材・資材)付の小川洋輔建設キャリアアップシステム推進官などが参加しました。

最初に加賀美武専務理事が訓練センターの概要を説明しました。この中で宿泊棟が相部屋となっているため、最近の若い訓練生がストレスを感じている状況を踏まえて、定員から間引きする対応をしていること、また、普通科卒の訓練生が多くなっていることから、新入職コースを設けたことなどを紹介しました。
食堂で訓練生と同じように食事を取った後、訓練センターの教室、共用棟の浴室、機械室、宿泊棟の居室、外に出て実習場と回り、引き続きフルハーネス型安全帯、鉄筋結束を体験しました。

フルハーネス型安全帯については、訓練センター教務部の國光秀則課長、佐保知成講師が指導しました。國光課長が安全帯の歩みや構造、フルハーネスの使用方法を説明した後、実際に装着し、足場での吊り下がりを体験。フルハーネス型と比較するため、胴ベルトでも吊り下がったところ、「きつい。これは10分も耐えられない」といった感想が出され、フルハーネス型になった理由を体感しました。國光課長は「自分の体にフィットするには微調整に2~3日かかるもの」だとして、「自分の命を守るものだけに、調整や点検が大切になっている」と説明しました。

次に鉄筋結束を体験。同じく訓練センターの町美差恵講師が指導を担当。「良く見ていてください」と言いながら、わざと一瞬で結束するなど、ユーモアを交えた説明が体験を楽しくさせていました。また、ベンダーでの鉄筋切断も行い、10ミリと13ミリの鉄筋、直線部と曲線部の切断時にかかる力の違いを体感しました。

視察後の意見交換では、「(建設現場の暑さが課題として取り上げられている中で)猛暑の問題も実感できた。仕事に生かしていきたい」(渡邊課長)、「(建設業には)いろいろな職種、技能があるが、どういう仕事をしているのか見る機会がなかった。一部であるが体験できて良かった」(小川CCUS推進官)、「中途採用者の教育訓練など訓練センターの果たしている役割が分かった。課題を含めてしっかり勉強していく」(酒井課長補佐)―といった感想が出されました。
