東日本建設業保証㈱(栗田卓也社長)は、8月から9月にかけて東日本地区6会場(岩手、宮城、埼玉、東京、石川、愛知)で、都県建設業協会の会員企業を対象に入職後フォローアップ研修を開きました。研修には計約260名が参加し、リーダーとして求められる能力などを学びました。講師は、全会場で富士教育訓練センターの花輪孝樹講師が務めました。

この研修は、建設業に入職して3年前後の社員を対象にしたもので、昨年度から始まりました。
9月4日の東京会場では、東日本建設業保証の林眞史総務部長が開会あいさつし、「皆さんはこれからどんどんステップアップする。他社の同年代の方々との交流で発見することがあると思う」と話しました。また、全国建設産業教育訓練協会(富士教育訓練センター)の加賀美武専務理事は「現場の調和づくりも技術者の仕事。外国人が増えると、コミュニケーション能力がより求められる」と指摘しました。


研修は「人間力の向上~社会人としてのより良い自分づくり~」「コミュニケーション能力の向上と実践~交流から自己啓発~」が大きなテーマ。花輪講師は「コミュニケーション能力を高め、交流を深めてほしい。一人一人が積極的にものを考え、行動してほしい」と呼び掛けて研修がスタート。
午前の講義の「人間力の向上」では、「常に頭に入れて置き、やってもらいたい」こととして、①聞き上手の訓練、②自分を見つめ直して、さらにスキルアップする訓練、③メモをとる訓練、④仲間との親睦を深め、良い所を学び取る訓練、⑤限られた時間を効率良く使う訓練―の「5つの『ながら訓練』」を挙げました。また。スピーチの基本的な心得として、「良い心で、良い事を考え、良い表情で話す」など5項目を紹介し、特に表情や身振りなどの非言語情報の重要性を指摘しました。

その上で、自分の所属会社の紹介をテーマに1分間スピーチの原稿を3段階法(導入・展開・終結)で作成、二人一組で相互に話し手・聞き手になってそれぞれのスピーチをアドバイスし合いました。
午後からは1グループ10名前後に分かれてのグループ交流として、①どんな先輩になりたいか、②会社の内外で、嫌な相手とどのように付き合っていくか、③どんな人と仕事をしたいか、④3年後の自分はこうありたい―という4テーマでの意見交換や、ホワイトボードを使って仕事で悩んでいる事について発表し、アドバイスをし合う「他己アドバイス」などを行いました。
同社では「多くの皆さまにご参加いただき感謝している。今後も若手社員の成長につながる研修の提供などを通じ、建設産業の発展に貢献していきたい」と話しています。