「人を大切にするという理念と情熱を持って時代をつなぐ」―日本躯体が50周年記念式典・祝賀会を開催

大木会長(中央)と記念写真 右は谷脇建設業振興基金理事長、左は加賀美全国建設産業教育訓練協会専務理事

 日本建設躯体工事業団体連合会(略称・日本躯体。大木勇雄会長=全国建設産業教育訓練協会副会長)は10月28日、東京都内で創立50周年記念式典を開きました。式典で大木会長は「建設業界全体、躯体工事業の発展を目指すため、構成団体との連携を密にし、時代に即応した施策を実施し躯体工事業に従事する人たちの処遇改善に努めていく」と訴えました。式典に続く祝賀会には金子恭之国土交通大臣が駆け付け、「設立以来、業界をより良くしていくための取組を積極的に展開され、躯体工事業界の発展に大いに貢献してこられた。その功績に心から敬意を表する」と祝辞を述べました。

祝辞を述べる金子国土交通大臣

 大木会長は式典開会のあいさつで、「当連合会は、時代が変わり新しい技術が登場しても、建設業に従事する人たち、我々が人を大切にするという理念と情熱を持って、古びることなく脈々とつないでいかなければなりません」と力強く決意を述べました。

あいさつする大木会長

 来賓の国土交通省の伊勢尚史大臣官房審議官は、標準労務費、育成就労制度の取組をあらためて紹介した上で「躯体工事業をはじめとする建設業がより魅力的で持続可能な産業になるよう、引き続き協力をお願いする」と祝辞。同じく来賓の厚生労働省の大村倫久主任職業能力検定官は、日本躯体コンクリート打込み・締固め工の検定が団体検定としてことし3月に移行したことに触れ、「まさに現場で通用する実践的かつ専門性の高い技能を体系的に評価する検定として高く評価する」とたたえました。

 式典では、連合会の発展に功績のあった20人に対して、大木会長から表彰状と記念品が贈られた他、建設経済研究所の佐々木基会長が「今後の建設業の展望について」と題して記念講演をしました。

記念誌『あゆみ』
乾杯時に使われた50周年のロゴが入ったます

 式典に続いて行われた祝賀会には、関係官庁、団体などからたくさんの方々が参加し、日本躯体の50周年を祝いました。乾杯の発声を務めた建設業振興基金の谷脇暁理事長は「新内閣は暮らしの安全安心を実現すると言っている。そのためにも力強く魅力的で持続可能な建設業であることが不可欠。それを実現するためにも日本躯体のこれからの活動、活躍がますます重要になってくる」と話しました。

谷脇建設業振興基金理事長の音頭で乾杯

 祝賀会での来賓の祝辞(金子大臣を除く)の要旨は以下のとおり。

【祝辞】

蒔苗浩司厚生労働省大臣官房審議官

 日本躯体コンクリート打込み・締固め工団体検定のような制度の整備は、単なる資格制度にとどまらず、技能者の社会的地位の向上、若年層の入職促進、業界全体のイメージアップにもつながる。連合会の皆さまが、制度の構築から運用まで現場の実態に即した形で丁寧に取り組まれたことに敬意を表する。

岸毅明日本建設業連合会専務理事

 建設産業を取り巻く課題が数多くあるが、これらを解決し新3Kに「格好いい」を加えた新4K、魅力あふれる業界に生まれ変われるよう、連合会、専門工事会社の皆様と共に一丸となって取り組む所存。引き続き協力をお願いする。

今井雅則全国建設業協会会長

 50年という長きにわたる年月の中で、建設業界は幾度となく変化の波に直面してきたが、連合会が現場の声に寄り添い、技能者の誇りを大切にされてきたことに安心感と共に、大きな励ましを感じている。これからも躯体工事の中核として若手人材の育成や多様な人材の活躍推進、さらには環境への配慮など、新たな課題に向き合いながら業界の未来を力強く支えていかれることを願う。

岩田正吾建設産業専門団体連合会会長

 日本躯体が専門工事業団体の大同団結の要になって業界をけん引してきて現在があると理解している。深く感謝する。改正建設業法に基づく標準労務費を一緒になって進めていこうではないか。鳶職は現場を取り巻くリーダー。ぜひとも、この価格転嫁の取組をしっかりと行っていただきたい。これからの50年を目掛けて日本躯体がますます発展するよう祈念する。