和田山厚労省建・港室長らが訓練センター視察 「若者入職にも一役を」

 厚生労働省の和田山純一建設・港湾対策室長と、永島宏泰企業内人材開発支援室長らが6月23日、静岡県富士宮市の富士教育訓練センターを視察しました。視察後、和田山室長は、訓練センターに対して建設業界への若者の入職に一役を担ってほしいとの考えを示しました。

 当日は、和田山室長、永島室長の他、企業内人材開発支援室の宮崎裕幸認定訓練係長も同行しました。訓練センターに到着後、全国建設産業教育訓練協会の加賀美武専務理事から訓練センターの設立経緯や訓練内容などの概要説明を受けました。

 訓練生と共に食堂で昼食後、施設を視察。米良力校長の案内で、教室棟、共用棟、宿泊棟を回りました。途中、昨年8月、日板協配下団体の銅板の折り鶴によるギネスチャレンジが訓練センターで行われたこと、富士宮市との災害時応援協定により避難者に対して施設を開放することや、1週間分の食料の備蓄も実施していることも説明されました。

町講師の指導で鉄筋結束を体験

 続いて、機械実習場で訓練センターの町美差恵講師の指導で鉄筋結束を体験。ハッカーの使い方を教えられると、さっそく鉄筋を結束しました。また、ベンダーによる鉄筋の切断・曲げも体験し、町講師から作業に潜むさまざまな危険を教えられました。当初予定していた建設機械体験は大雨のため残念ながら中止になりました。

ベンダーで鉄筋の切断、曲げも

 視察後の意見交換では、和田山室長は「令和4年度当時、企業内人材開発支援室長を務めさせていただいた際にセンター視察が実現できませんでしたので、今回、現地で実際の訓練風景を拝見させていただいたことに感謝します。今後は、建設業界に若い力が必要になります。センターがそのことに携わってもらうことがとても重要。厚労省としても助成金等の活用等を通じてバックアップしていきたい」と話しました。

 また、昨年4月に着任した永島室長は「センターのお話は伺っていましたが、今回の視察で実際の訓練の現場を拝見させていただくと違います。こうした人材育成の取組、研修の場があることは素晴らしい。今後もバックアップしていきたい」、今年4月着任の宮崎係長は「能力開発の仕事は久しぶりで、建設分野については初めてに近い。今回、貴重な体験ができた。ここは環境も良く、野鳥の声も聞こえてよかった。霞が関での仕事では経験できないことができました。今後に役立てたい」とそれぞれ述べました。