国土交通省国土交通大学校(東京都小平市、小林高明校長)は4月4日、静岡県富士宮市の富士教育訓練センターで令和5年度の総合職技術系新規採用者を対象とした研修を行いました。研修には65人が参加し、同センターの講師の指導の下、フルハーネスを装着したぶら下がり、小型移動式クレーンによる荷の吊り上げ作業、建設機械の試乗―の3つの体験に積極的に取り組みました。参加者は「これまでしたことのない体験でした。建設現場の皆さんに寄り添った仕事をしていきたい」と話していました。
フルハーネスを装着してぶら下がりを体験
入校式で富士教育訓練センターを運営する職業訓練法人全国建設産業教育訓練協会の山梨敏幸会長があいさつし、「発注者、ゼネコン、専門工事業者の三者がお互いをリスペクトし、コミュニケーションをしっかり取ることで安全で良いものができます。建設現場の最前線で働く技術者、専門工事者は夏の暑さ、冬の寒さ、雨の冷たさ、担ぐ鉄筋の重さ、スコップなどを持つ辛さを感じています。本日はフルハーネスを装着し、その重さを体験していただきます。皆さんには、職人を思いやる、心のあたたかな監理者になっていただきたいと心の底から思っています」と訴えました。
小型移動式クレーンによる荷の吊り上げ体験では、クレーンの運転と玉掛け作業を学びました。講師からクレーン種類、資格、仕組み、玉掛け作業の概要を実物を元に説明を受けました。その後、参加者は講師の指示に従って実際に操作し、巻き上げ・巻き下げ、ジブの上げ・下げ、フックの揺れの制止を行いました。フックの揺れが上手く止まると、皆で拍手をし合いました。
建設機械の体験では、油圧ショベル、ブルドーザ、ホイルローダの3種類の機械を試乗。油圧ショベルでは、重機の周りに9人が立って、運転席からの死角を確認しました。また実際に運転し、アームやバケットを上下前後に動かしました。