富士市(小長井義正市長)は、令和6年度に採用の土木技術職員の研修を初めて富士教育訓練センター(富士宮市)で行いました。参加した7人は、7月22日から26日までの4泊5日の日程で、土木工事の役割や設計図の見方などを学ぶとともに、L型鉄筋コンクリート擁壁の生コン打設や測量器械の取り扱いも体験しました。自治体が職員研修に訓練センターを利用するのは、静岡県に次いで2番目となります。
測量機器の取り扱いを実習
初日は土木概論として土木工事の種類と役割、歴史などを、2日目は富士市が提供した道路と河川の設計図を用いて、数値が何を示しているのかなど図面の読み方を学びました。
土木工事の基礎と図面の見方を学ぶ
3日目からは外での実習。土木施工法としてL型鉄筋コンクリート擁壁の制作に取り組みました。組立てられた鉄筋に型枠を設置し、現場練りしたコンクリートを打設。最終日に脱型するとともに、型枠を再利用できるよう、板に付いたコンクリートを落とす作業も行いました。
この他、4、5日目には測量の実習として、レベル、トータルステーションの取り扱いを学びました。
L型鉄筋コンクリート擁壁を制作
参加者は「技術職としての自覚が芽生えたように感じました」「図面を読む力がついたことが特に良かった」「これから自分が発注する構造物がどのようにして形になるのか、またそれを造るのに職人の方々がこれだけ大変な作業をしているのかということが分かり、これからの仕事をしていく上でとても参考になりました」などの感想を寄せていました。
富士市は土木技術職員の減少などに対応するため、ことし2月に「土木職員人材育成計画」を策定し、計画的な人材の育成に取り組んでいます。今回の研修はその一環となるもの。参加した新規採用職員は、大学などで専門課程を修了していない方も含まれていました。