国土交通省の堤洋介大臣官房審議官(不動産・建設経済)が11月7日、静岡県富士宮市の富士教育訓練センターを視察しました。施設を見学するとともに、建設機械の基本操作や鉄筋の結束を体験しました。堤審議官は視察を終えて「施設の重要性がよく分かりました。訓練センターがより利用されて、若い人たちが建設業に入職するよう力を尽くしていきたい」と話しました。
教室棟の「見える化天井」を見上げる堤審議官(先頭)ら
鉄筋結束を体験する城建設振興課長(左から2人目)
視察には、堤審議官の他、不動産・建設経済局の城麻実建設振興課長、山岸浩一国際市場課長ら6人が訪れました。
到着後、まず全国建設産業教育訓練協会の加賀美武専務理事から訓練センターの施設や設立経緯、訓練内容などの概要説明を受け、続いて食堂で訓練生と同じ昼食を取りました。
午後は、米良力校長の案内で、教室棟、寮、実習場を視察しました。また、空岡陽子講師の指導を受けて、バックホウに乗車しアームやバケットの基本的な操作を体験。機械実習場では、町美差枝講師の指導で鉄筋の結束やベンダーでの鉄筋切断を行いました。
バックホウに乗る堤審議官
視察後の意見交換で、堤審議官は「若い人が実際に作業をやってみると『ああ楽しいな』と建設業に興味をもっと持ってもらえるのではないでしょうか。訓練センターはそういうことに非常に向いている施設なので、活用いただけるといい」と、担い手確保に向けて体験学習の重要性を指摘しました。
山岸国際市場課長は「(技能実習生が)海外から来られて、こういう研修施設で一から指導してもらえるのは非常に心強い」とした上で、3年後に始まる育成就労制度を踏まえ「新しい制度の下で受け入れてもらえるとありがたいですし、教育訓練のプロセスがしっかりしていることが海外にアピールでき、日本を選んでもらえるきっかけになると思います」と話しました。
城建設振興課長は「いかに現場に出た時に役立つかという視点で教育訓練されているのだと分かりました」と感想を述べました。
参加者からは、i-constructionに対応した新しいコースは行わないのか、コロナ禍以前の利用者数に戻らないのはなぜか、厚生労働省の助成金制度の利用状況はどのくらいなのか、全国規模の施設としてどのような意義を感じているのかなど、さまざまな質問が寄せられました。