全国建設産業教育訓練協会、富士教育訓練センターは1月10日、静岡県富士宮市の同訓練センターで、令和6年度の職員・講師研修会を開きました。講師、会員団体事務局約60人と職員20人の計約80人が参加し、グループ討議などを通じて、ハラスメント防止を含めた受講者とのコミュニケーションの在り方を学びました。講師は、日本コンサルタントグループの建設産業研究所の齋藤昭彦氏が務めました。
研修内容は、@講師としてのあるべき姿の再確認、Aハラスメントの理解と予防策、Bハラスメントを防ぎ、学びを引き出すためのコミュニケーション。参加者が4人程度のグループに分かれ、齋藤氏から出されたテーマ・設問を議論、その結果をグループの代表が発表する形で行われました。
講義する齋藤昭彦氏
ハラスメント関係については、参加者から「当事者同士がハラスメントと認識していなくても、周りから指摘されるリスクがある」「訓練生の知識の差によって教え方が変わってしまう」「元職人なのでガツンと言うかもしれないと最初に言っておく」など、訓練生との関係に苦慮する発言が多く出されました。
齋藤氏は、「ハラスメント(と指摘すること)が若者の防御策になっている」と指摘した上で、「授業や教育で自分の居場所があり、馬鹿にされたりしないで正当に評価されるという確信が持てる『心理的安全性』の高い状況をつくり出すことが、受講者の学びを引き出し、人の定着やハラスメント防止につながる」と述べました。
この他、受講者の意欲を引き出すための伝え方、注意の仕方・叱り方などについても、具体的に分かりやすく説明しました。
講師と職員ら計約80人が参加し、グループワークを通じて学ぶ