みごと優勝(国土交通大臣賞)を手にしたのは、廣田直木さん(佐藤鉄筋・新潟県鉄筋業協同組合)。全国鉄筋工事業協会(全鉄筋、岩田正吾会長)が10月6日、第5回全国鉄筋技能大会「TETSU−1(テツワン)グランプリ」を静岡県富士宮市の富士教育訓練センターで開催しました。全鉄筋加盟団体が実施する予選に勝ち抜いた精鋭34人が集結し、鉄筋施工の技術を競いました。準優勝(厚生労働大臣賞)に高木昌也さん(KANOCENTER・関西鉄筋工業協同組合)、第3位(全国鉄筋工事業協会長賞)に萩原大地さん(小椋工業・群馬県鉄筋工業組合)がそれぞれ選ばれました。
優勝した廣田さんの作業の様子
「TETSU−1グランプリ」は、鉄筋工の技能向上を目的に2015年にスタートし、隔年で秋に開催しています。
参加資格を有するのは、年齢45才以下の一級鉄筋施工技能検定合格者。今回は34人(うち女性1人)が選抜され、制限時間1時間40分の中で、日ごろ現場で鍛えた技を競いました。一番早く課題を終えた選手は、制限時間の半分以下約45分でした。課題を終えた選手達が司会者の質問に答えました。上位3人は、いずれも作業のスピードで5番以内に入っていましたが、作業の早さだけではなく、精度についても細かく採点されました。
精鋭34人の選手が日頃の技を競う
表彰式では、主催者である全鉄筋の岩田会長から「誰が優勝してもおかしくない熱量を感じました。またそれだけ厳格な技術を必要とする仕事に携われているという誇りを感じました」と選手達をたたえました。
その上で建設キャリアアップシステム(CCUS)の意義に触れ、「この資格を取ると最低これだけの賃金がもらえると見える化されてきます。業界も価格を安定し、企業経営が安定するように取り組んでいます。皆さんは技量をどんどん磨いていただいて、各地でCCUSの意義と必要性をピーアールしてほしい」と訴えました。
続いて来賓の国土交通省不動産・建設経済局建設振興課の広瀬祐一郎企画専門官より平田研不動産・建設経済局長の祝辞を代読、「選手の皆さんは、日頃鍛錬されている技能をいかんなく発揮されました。このことは、職場の期待に応えるだけでなく、ご家族や地域の同僚の方々に元気や活力を届けることになったと思います」と述べました。さらに、「本年6月に第3次担い手3法が成立しました。この法律によって、適正な労務費の確保と行き渡りを図るなど、技能者の処遇改善に取り組む仕組みを設けました。また、適正な工期設定による働き方改革やICT活用等による生産性向上を図ってまいります」と行政方針を紹介しました。
採点委員長を務めた全国建設産業教育訓練協会の加賀美武専務理事が採点結果を発表し、上位3人の名前を呼び上げました。表彰式では、広瀬企画専門官から優勝廣田さん、準優勝高木さんに、岩田会長から第3位の萩原さんにそれぞれ表彰状と記念のトロフィーが手渡されました。また参加者全員に金のハッカーが贈られました。
閉会に当たって建設業振興基金の谷脇暁理事長が後援者代表としてあいさつし、「皆さんの格好良い姿を目に焼き付けました。さらに高みを目指し、全鉄筋の発展、建設業界の発展をけん引してください。人材確保が課題となっている中です。ぜひ、その格好良い姿を地域で皆さんにお見せし広げてほしい」と呼び掛けました。
なお、競技と表彰式の様子はインターネット配信し、広くPRしています。